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【実は危険!?】特定商取引法とバーチャルオフィスの関係について解説します

こんにちは、COCOです!

今回は、ネットショップで販売をされている方に向けて…

ショップの特定商取引法表示にバーチャルオフィスの住所を利用することは可能か?

という疑問について、解説していきたいと思います。

せどりビジネスをされている方であれば、特定商取引法と関わりの深いネットショップとして、「Amazon」や「Yahoo!ショッピング」を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。

この疑問に関して、先に答えを言ってしまうと…

特定商取引法表示にバーチャルオフィスの住所を利用することは可能です。

しかし、バーチャルオフィスの住所を利用するうえで ”注意すべき点” がありますので、
その部分について詳しくお伝えしていきます。

これから、せどりビジネスをスタートされる方にも必ず役立つ内容になっていますので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。

そもそも「バーチャルオフィス」って何だろう?

・そもそもバーチャルオフィスが何か分からない…
・バーチャルオフィスって何ができるの…?

という方に向けて、

バーチャルオフィスが持つ言葉の意味
バーチャルオフィスでできること

これら2点について、簡単に解説していきます。

逸早く本題に移りたい方は、第二章から読み進めていただくことをオススメします。

まずは、バーチャルオフィスが持つ ”2つの意味” について理解していきましょう。

物理的空間を持たない ”完全バーチャル” なオフィス

1つ目は、物理的空間を持たない完全バーチャルなオフィスです。

これは、本来オフィスが持つITインフラや代替サービスそのものを指しています。

物理的なオフィス空間が無く、自宅やカフェなどを職場として利用するケースが多いです。

レンタルオフィスなどの ”物理的空間” が存在するオフィス

2つ目は、いわゆる「レンタルオフィス」と呼ばれるサービスですね。

個人でも占有できるスペースが存在し、オフィスとして利用できる場所を提供しています。

また、個人スペースだけでなく、コワーキングスペースや会議室などを提供している会社もあり、様々なビジネスニーズに対応したバーチャルオフィスが存在します。

バーチャルオフィスでできること

バーチャルオフィスでできることは以下の通りです。

住所貸しや法人登記代行
郵便物の受け取りや転送
電場番号やFAX番号のレンタルサービス

当然ですが、会社ごとに提供するサービスの種類や内容は異なるため、自分に合ったサービスを選択してみてください。

COCO
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インターネット上でも様々なバーチャルオフィスが存在するため、各サービスのメリット・デメリットを十分に把握したうえで利用していきましょう。

なぜ特定商取引法表示にバーチャルオフィスが使えるのか?

ネットショップの特定商取引法表示について、多くの情報発信者が口を揃えて「バーチャルオフィスの住所表示」を推奨しています。

果たして推奨できる ”根拠” は一体何なのでしょうか…?

ここからは、その理由について私なりの見解も交えつつ解説していきます。

まず、ネットショップをより具体的にイメージしていただけるよう、ここでは「Amazon」を例に話を進めていきます。

Amazonでは、特定商取引法及びその他の法令に基づく表示として、以下のように規約を定めています。

Amazonサイトの出品者の情報ページに、以下の情報を表示しなければなりません。

・販売業者名:
 →大口・法人出品者:登記簿上の名称
 →個人出品者: 戸籍上の氏名または商業登記簿に記載された商号
・お問い合わせ先電話番号: 消費者からの問い合わせ対応等のための電話番号
・住所: 現に事業活動をしている住所(私書箱等は不可)。
建物の名前や部屋番号等も正確に表示する必要があります。また、個人出品者についても、事業所の所在地を表示する必要があります。事業を行っている場所が自宅である場合でも、例外ではありません。
・運営責任者名: 出品に関する業務の責任者の戸籍上の氏名(法人の場合、法人を代表する権限を有する者でなくても可)
・店舗名: 当サイトにおける出品者の店舗名
・許認可情報: 法令上表示が義務付けられている許認可/登録/届け出の種類と許認可/登録/届け出番号

Amazon規約ガイドラインより一部抜粋
※上記は2021年1月時点の情報です。

このAmazon規約に則るのであれば、特定商取引法の住所に「活動実態のない住所」を表記することは不可とされているため、実態の無い「住所貸し」や「虚偽の住所」を表示することは禁止のはずです。

しかし、多くの情報発信者がそれでも「バーチャルオフィス」を推奨する理由…。

それは、恐らく「特定商取引法に関する法律」が大きく関係していると思われます。

特定商取引法第11条には以下のような記載があります。

販売業者又は役務提供事業者は、通信販売をする場合の商品若しくは特定権利の販売条件又は役務の提供条件について広告をするときは、主務省令で定めるところにより、当該広告に、当該商品若しくは当該権利又は当該役務に関する次の事項を表示しなければならない。
ただし、当該広告に、請求により、これらの事項を記載した書面を遅滞なく交付し、又はこれらの事項を記録した電磁的記録を遅滞なく提供する旨の表示をする場合には、販売業者又は役務提供事業者は、主務省令で定めるところにより、これらの事項の一部を表示しないことができる。

1.商品若しくは権利の販売価格又は役務の対価(販売価格に商品の送料が含まれない場合には、販売価格及び商品の送料)
2.商品若しくは権利の代金又は役務の対価の支払の時期及び方法
3.商品の引渡時期若しくは権利の移転時期又は役務の提供時期
4.商品若しくは特定権利の売買契約の申込みの撤回又は売買契約の解除に関する事項(第十五条の三第一項ただし書に規定する特約がある場合にはその内容を、第二十六条第二項の規定の適用がある場合には同項の規定に関する事項を含む。)
5.前各号に掲げるもののほか、主務省令で定める事項


※参考文献1:特定商取引に関する法律
※参考文献2:主務省令で定める事項
※上記は2021年1月時点の情報です。

この省略すること(表示しないこと)ができる表示事項の中には、

氏名
住所
電話番号

なども含まれています。

そのため、原則としては「活動実態のある住所」を表示するべきですが、”上記の条件” を満たした場合のみ、バーチャルオフィスの住所を利用することが許されるというわけですね。

しかし、その ”条件” について多くの人が見落としているポイントがあります。

その点を次章にて詳しく解説していきます。

COCO
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特商法の法律について詳しくご覧いただきたい方は、消費者庁のサイトがオススメです。

特商法に関する法律で多くの人が見落としている条件

まずは、前章にて引用した特定商取引法に関する法律の中で、バーチャルオフィスが合法となる条件についてピックアップしてみます。

ただし、当該広告に、請求により、これらの事項を記載した書面を遅滞なく交付し、又はこれらの事項を記録した電磁的記録を遅滞なく提供する旨の表示をする場合には、販売業者又は役務提供事業者は、主務省令で定めるところにより、これらの事項の一部を表示しないことができる。

この条件を分かりやすく書き換えると以下のようになります。

消費者からの請求に対し、遅滞なく情報開示に応じること
上記の開示準備ができている旨をネットショップに明記しておくこと

ポイントは ”2つ目の条件” になります。

仮にAmazonでバーチャルオフィスの住所を利用する場合は、「その住所が活動実態のある住所ではないこと + 請求があった場合は速やかに情報を開示できる旨」を明記しておく必要があります。

しかし、多くが「請求された場合に情報を開示すれば良い」という点だけに着目しているため、”バーチャルオフィスの住所のみ” を表示しているセラーが非常に多く見受けられます。

これでは、Amazonが定める規約を違反しているだけでなく、特定商取引法の表示義務さえも果たせていないことになります。

バーチャルオフィスの住所を ”正しく” 利用するためにも、

ショップ上に表示されている住所が実際の販売業者の住所とは異なることを明記
開示請求があった場合に速やかに自社の情報を開示できる旨を明らかにする
実際に請求があった場合に速やかに開示請求に応じられる準備をしておく

上記3点について、しっかりと徹底しておきましょう!

いくらサイト上に「請求があれば開示します」と明記されていても、実際に請求された際に対応できなければ表示義務違反と判断されます。

当たり前ですが、それだけは絶対に避けてください。

COCO
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この機会にショップの特商法表示を正しい情報に変更しておきましょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

今回の記事では、特定商取引法とバーチャルオフィスの関係について詳しく解説しました。

最後に、今回の内容についてサクっと振り返りを行いましょう!

バーチャルオフィスには物理的空間を持つ場所と持たない場所がある
バーチャルオフィスでできること①:住所貸し・法人登記代行
バーチャルオフィスでできること②:郵便物の受け取り・転送
バーチャルオフィスでできること③:電話・FAXのレンタルサービス
原則として特商法の住所に「活動実態のない住所」は記載できない
ただし、法律遵守により例外的にバーチャルオフィスの住所を利用することが可能
ショップには請求があった場合に速やかに情報を開示できる旨を記載すること
実際に請求があった場合に速やかに開示請求に応じられる準備をしておく

ショップの特商法表示にバーチャルオフィスの住所を利用すること自体は違法ではありません。

個人の情報をインターネット上に公開するのは怖い…
会社に副業をしていることがバレたら困る…

などなど、こういった状況においてもバーチャルオフィスの存在は非常に役立ちます。

しかし、利用する以上は「法律で定められた義務」をしっかりと果たす必要があります。

長くショップを運営していくためにも、バーチャルオフィスに関する法律やルールをしっかりと把握しておきましょう!

 

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